怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
大きな神木
お気に入り
1212
24
0
中編4分
コピー
「大きな神木」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
まだ小学1年生か2年生くらいだったと思います。 僕の家の横は旧神社跡地で、 今はゲートボール場になっているのですが、 昔はそこに1本の大きな神木がありました。 楠だったと思います。 他にあると言えば、 石段と何かよく分からない石碑。 そしてその石段を境にして、 僕の家と神木がありました。 両親が共働きだった僕は、 よくその木に寄りかかって、 愚痴や自慢などを木に向かって話していたのを覚えています。 秋~冬にかけてだったでしょうか、 その日も僕は木に寄りかかり、 木に向かっていつもの様に話し掛けていました。 日も暮れるのも大分早くなっていますから、 あっという間に夜の闇が近付いて来ます。 と言っても僕の家は隣なわけですから、 別段急ぐわけでもなく、 いつもの様に石段を降り、 家に戻ろうとした時です。 「せぇのぉ・・・」 何か後ろから声が聞こえたような気がして、 ハッと振り返るのですが、誰もいない。 気のせいかと思い、 その時は特に何も気にせず家に帰りました。 家に帰り風呂から出た僕は、 何とはなしにふとベランダから木の方を見ました。 あまり車も通らない場所ですから、 家の周りは静けさが漂っており、 風に揺れる木の葉とそれを照らす月光がとても幻想的で、 風もひんやりと心地良い。 ギィ・・・ギィ・・・ 何か軋むような音がする。 その場所を目を凝らしてよく見ると、 何かが木からぶらさがっており、 ゆらゆらと揺れている。 あれは・・・人だ・・・!! 幼いながらに、 首吊りというのは知っていました。 ふと気付くと視線を感じる。 目をやると、 二つの目玉がこちらを見てニヤリ・・・と、 歪んだ笑みを浮かべていました。 慌てて部屋に戻りベッドに入ったものの、 その日は全く眠れませんでした。 それからしばらく木には近付かないまま、 年を越しました。 あの日のことは新聞やニュースにもなっていなかったので、 僕の中でも、あれは錯覚だったのかな・・・?と整理され、 遠い過去として頭の片隅に追いやっていました。 そんな忘れかけていたある日、 何の気なしに僕はあの木の下にいました。 常葉樹のためか木には葉が残り、 それに積もった雪が屋根のように陽を遮っています。 何をするでもなく木に寄りかかっていると、 静けさの中に何か音が聞こえて来ます。 「ねんね・・・ころ・・・や・・・おこ・・・ろ・・・や・・・・・・」 はっとして上を見ると、 僕の顔の真上に裸足が一対あり、 よく見上げると、遥か上の枝から、 きりんのように首の伸びた人であったろうモノが、 ゆらゆらと僕の眼前で揺れていました。 「い゛ぃ・・・っ・・・」 と、僕の喉の奥から叫びにもならない音がし、 驚いて飛び退いた瞬間、 ぶつり・・・という音と同時に、 ソレは僕の足元に降って来ました。 人としての形は完全に崩れており、 その背中であったろう場所には、 子供の形をした赤黒い肉塊がべっとりと張り付いていました。 大急ぎで石段を降りたところで、 何か背後に寒気を感じ振り返ると、 何かボールのようなものが ぐちゃり・・・ぐちゃり・・・と転がり落ちて来、 まるで僕の両手に収まる予定であったかのように、 何故だか僕はソレをキャッチしていました。 ボールよりは人の顔に近い、とはいえ 頭蓋からは肉が飛び出し、唇の裂けたソレは、 全く身動きのとれない僕に、 『あの日』のように 「にちゃり・・・」 と笑いかけて来ました。 「坊んも・・・逝くか・・・」 そのまま僕は意識を失い、 気が付けば隣家のおばさんが僕を見つめていました。 「何があったか?」 と聞いてくるおばさんに、 どう答えれば良いのかも分からず、 僕自身もあやふやなまま、 その体験は幕を閉じました。 昔あの場所で何があったのかは、 全く知らないままなのですが、 その木の根元には、 毎年二本だけ彼岸花が咲きます。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった24
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
漫画売れ筋
メダリスト(13) (アフタヌーンコミックス)
転生したらスライムだった件(29) (シリウスコミックス)
新ルパン三世 : 2 (アクションコミックス)
凪のお暇 12 (A.L.C. DX)
新ルパン三世 : 1 (アクションコミックス)
僕の心のヤバイやつ 12 (少年チャンピオン・コミックス)
前の話:【洒落怖】自殺頭痛
次の話:【洒落怖】割り込み車
怖い話 No.8864
【洒落怖】戻る
1508
21
短編2分
怖い話 No.2273
【洒落怖】天井裏の大皿
1186
37
怖い話 No.8182
【洒落怖】井戸に落ちる女の子
2226
27
1
長編11分
怖い話 No.181
【洒落怖】足の上に・・
1458
48
怖い話 No.2089
【洒落怖】表にでない研究
1576
58
怖い話 No.22491
【洒落怖】懐かしの山小屋
朗読 りょりょの怪談チャンネル【作業用かいだん朗読】
767
10
長編6分
怖い話 No.8356
【洒落怖】ファミレスの夜
2325
34
中編3分
怖い話 No.14912
【洒落怖】自然死物件
1567
42
怖い話 No.7865
【洒落怖】森の奥
1349
怖い話 No.14811
【洒落怖】箪笥を開ける音
1294
43
短編1分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
お父さんはお母さんを人間扱いしてくれないの!
手を引っ張るモノ
裏S区?
(´・ω・`)
邪視
真夜中の花嫁
もうお一人様乗れる余裕が御座いますが、いかが致しますか?
長い髪の毛
腕章の少年