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隣の音
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おれの家の隣の空家からさぁ、夜になると、時々変な音が聞こえるんだよ。 まるで、人間か動物か分からない何かが、暴れて、叫んでいるような、例えようのない、そら恐ろしいものなんだよ。昼間は全然音がしないのによ。 ガシッ、ガシィッって低い響きの中に、時折、うめき声が混じっててさぁ。のどかな田舎町だし、下手に駐在さん呼んで何もないと、酷く叱られるだろうし、放置しようと思ってね。 本当、放置すべきだったと後悔してるよ。わすれもしない、あの夜だよ。 隣家のもの音がいつにもましてうるさくて、眠れなくてさ。最初は、ガスン。 。。 ガシィ。。 。って、これまでも何度か経験のある、鈍い、低い響きだったんだ。 でも、その夜は違った。だんだんと、音が暗闇の中で、大きくなるんだ。 そして、そのたびに「ぎゃぁ!うがぁ!」って、内臓がはみだしそうな、心の凍りつくうなり声(悲鳴?)がはっきり聞こえるんだよ。今度ばかりは、絶対におおごとだと思って、すぐに駐在さんに電話したんだ。 夜だから、駐在さんも自転車でくるんだけど、でも、なかなかこないんだよ。2時間くらいたったかなぁ、不安になったよ。 相変わらず、隣の音は聞こえる。時間がたつのがすごく長く感じられたよ。 もしや、誰か監禁されてんじゃないだろうか、とか、もしかして女の子かも、とか、変な正義感が膨らむんだよ。覚悟を決めて、おれは突入する事にしたんだ。 腕っぷしには自信があったし。護身用に、農作業で使う鉄杭と鎌を持ってった。 玄関まで行くと音がやんだ。しーんと静まり返った闇の中、おれはドアをそうっと押した。 ギ・ギ・ギ。。 。ロウカは、気味悪いくらい広くて、懐中電灯で照らしても、暗闇に覆われてた。 電気でも付かないかと思い、手探りで壁を探ってみたんだ。音が出ないよう気をつけて、スイッチを探した。 でも、スイッチが見つからない。。 。この家には、電気もないのか?ってイライラしたよ。 そしたら今後は、懐中電灯が消えた。何の予告もなしに。 「マジカよ!うそだろ!」って、思わず大声を出すんだ。そのときだった。 後ろから、「すぅっー。はぁ。 すぅっー。はぁ。 」って、なんか不気味な呼吸音がするのに気が付いたんだ。もう怖くて動けなくて。 ようやく、「うぉぉ!!」て声を出した時には遅かった。俺は突然崩れ落ちた。 力の入らない俺の視界に黒い女がすぅっと入って、口元を歪め言ったよ。「ヒヒヒ。 ワスレロ」ってね。そして、おれのスネを軽く噛んだ。 全身を、とり肌が一気に覆ったよ。黒い女はスネに歯形をつけると、その跡をペロリとなめた。 そのとき、暗闇になれた俺の目は、黒い女の青白い目を見たんだ。女は、今度はおれのスネを少し噛みちぎった。 気絶した。何時間たったろうか、翌朝、俺は家の隣の「空地」で目覚めた。 となりには、知らないおじさんの死骸が転がっていた。傷だらけの。 。。 駐在さんが驚いた様に近づいてきて、言ったよ。「君も心臓が止まってたんで、死んでると思った。 」僕は、「ここに家があったはずでしょ」って聞いた。夜中までは、確かにあった。 。駐在さんは、「あんたの家の隣のことだら。 むかしからここは空地だよ」って言ってる。。 。さらに、駐在さんは、昨晩のことを聞きたいから、病院で検査受けたら、事情聴取したいと言った。 止めてほしかったよ。混乱してるし、もう思い出したくなかった。 でも、止めるわけなかった。おじさんは他殺みたいで、おれは重要参考人。 でも、おれは、忘れなきゃいけないんだよ。だって、黒い女に言われたんだからな。 ばかだったよ。変な正義感で、スケベ心で、突撃して。 あんな音ほっとけば良かったのに、って。駐在さんを呼んだんだから、あとは任せておいても良かってに、ってね。 黒い女のことは取調べ中何があっても絶対口にしなかった。結局、おれは、おじさんの死亡推定時刻にアリバイがあり、動機もないので、罪をかぶせられることはなかった。 今でも俺は、空地の隣の、この家にすんでる。縦も横も上も下も、何を信じていいか分からない。 でも、このスネに、縦に残った傷跡は物語る。黒い女が幻ではないことを。 おれが忘れえないあの女との再会を、心のどこかで望んでいることを。。
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