怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
踏み入れるべきではない場所
お気に入り
2725
32
3
0
長編5分
コピー
「踏み入れるべきではない場所」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
私がまだ小学校低学年の幼い子供だったころに、趣味で怖い話を作っては家族や友達に聞かせていました。 「僕が考えた怖い話なんだけど、聞いてよ。」ときちんと前置きをしてからです。 特にじぃちゃんが私の話を喜んで聞いてくれました。私はそれがとても嬉しかったんです。 熱心に聞いてくれるのと同時に、こわがってくれたから。そんな折、私の作った話がクラスの中で流行りだしました。 放課後の男子トイレで個室を叩くとノックが返ってくる。といったありがちな話です。 クラスの女子の間であっという間に流行り、噂は学年中、学校中へと広まりました。「男子トイレの前で手招きする男の子を見た」とか言い出す女子も出てきていて私がやっとその噂を知って「僕の作り話だってば」と言ってもきかず、その後もまことしやかに囁かれ続けました。 ついにはそこで肝試しを始めるグループまで現れてしまいました。その肝試しでしたが、なにも起きるわけがないのに、グループの子供が皆「ノックの音が返ってきた」と言うんです。 大変な騒ぎでした。そんなワケないだろ!?と思って作り話だということをアピールしようとしたのですが当時の私は皆に冷たくされるのが怖くて言い出せませんでした。 しかし、そのうち私は自分の話が本当になってしまったのではないかと思うようになり、すごく恐くなって自作の怖い話をすることをやめました。その騒動があってからしばらくしてじぃちゃんが、怖い話をしなくなった私に「もう怖い話しないのかい」と聞いてきました。 私はもう泣きじゃくりながらその話をじぃちゃんにしたんです。ほうかほうか、とやさしく聞きながら、こんなことを話してくれました。 それはな、みんなが坊の話を本当に怖いと思ったんだ。坊の話をきっかけにして、みんなが勝手に怖いものを創っちゃったんだよ。 怖い話を作って楽しむのはいいけど、それが広まってよりおそろしく加工されたり、より危険なお話を創られてしまうようになると、いつの日か「それ」を知ったワシらの目には見えない存在が、「それ」の姿に化けて本当に現れてしまうようになるのかもな。あるいは目に見えるものではなく、心のなかにね。 「おそれ」はヒトも獣も変わらず持つもの。「おそれ」は見えないものも見えるようにしてしまう。 本能だからね。だから、恥ずかしくないから、怖いものは強がらずにちゃんと怖がりなさい。 そして決して近寄らないようにしなさい。そうすれば、本当に酷い目にあうことはないよ。 私は、じぃちゃんも何かそんな体験をしたのかと思って「じぃちゃんも怖い思いをしたの?」と聞きました。すると、予期しなかったじぃちゃんのこわい話が始まったのです。 昔、じぃちゃんは坊の知らないすごく遠くのお山の中の村に住んでいたんだよ。そこで、じぃちゃんの友達と一緒に、お山に肝試しに行ったことがあるんだ。 そうだね、じぃちゃんが今でいう高校生ぐらいのころかな。お地蔵さんがいっぱい並んでいたけど、友達もいるし全然怖くなかった。 でも、帰り道にじぃちゃんの友達が、お地蔵さんを端から全部倒し始めたんだ。「全然怖くない、つまらない」って言ってね。 じぃちゃんはそこで始めてその場所に居るのが怖くなったよ。なんだかお地蔵さんに睨まれた気がしてね。 友達を置いてさっさと逃げてきちゃったんだよ。そうしたらその友達はどうしたと思う?死んじゃったの?ううん、それが何も起こらないで普通に帰ってきたんだよ。 でもじぃちゃんはもうそれからオバケが怖くなって、友達と肝試しに行くのを一切やめたんだ。その友達はその後も何度も何度も肝試しといってはありがたい神社に忍び込んだりお墓をうろうろしたりお地蔵さんにイタズラしたり色々するようになってね。 周りの人からは呆れられて相手にされなくなっていったよ。人の気をひくために「天狗を見た」なんていうようになってしまった。 じぃちゃんに「見てろ、噂を広めてやる」なんて言って、笑っていたよ。そして、ある日ふっと居なくなったんだ。 じぃちゃんもみんなと色々と探したんだよ。そしたら…山の中の高い木のふもとで、友達は死んでた。 木の幹には足掛けに削った後がてんてんと付いていてね。友達は自分で木に上って、足を滑らせて落ちたんだ。 ばかなやつだよ。坊、世の中には人が入ってはいけない場所っていうのがあるんだ。 それは怖い場所だ。坊だったらタンスの上もその場所だよ。 落ちるのは怖いだろ。そういうことだよ。 じぃちゃんの友達には、怖い場所が見分けられなかったんだ。怖いね。 ばちがあたったのかな。いいや、怖いのはここからさ。 友達が死んでから、村の中のひとたちが次々に「天狗を見た」って言い出したんだ。じぃちゃんは「あれは友達のでまかせだ」と言ったんだけどね。 友達が天狗の怒りに触れた、祟りだ、呪いだ、と皆は自分達でどんどん不安をあおっていった。夜通しで見張りの火まで焚いたんだ。 皆が顔をあわせるたびに天狗の話をするので、村の中がじめじめしていた。そんな時に限って具合が悪くてね、村の中でケガをするのが4件続いたんだよ。 どうってこともないねんざまで数に数えられてね。どう見てもあれは皆おかしくなってた。 さらに噂に尾ひれがついて、「天狗に生贄を出さなくては皆殺される」とまで酷い話になっていた。そしてついに、本当に生贄を出そうという話をするようになったんだ。 友達が死んだのは木から足を滑らせて落ちたからなのに、完全に天狗のせいになってた。村の中の皆も、人が入ってはいけないところに踏み入ろうとしていた。 それはね、人の命だよ。誰にもそれを奪う権利なんてないだろうに。 じぃちゃんはね、天狗よりも村の中の皆がすごく怖かったんだよ。だからね、じぃちゃんは、その村から逃げてきたんだ…じぃちゃんのこの話は、その後もねだって2度程聞かせてもらいましたが「絶対に内緒だぞ」と言われ、両親の居るところでは決して話しませんでした。 でも、今でも私の家には父方の実家はありません。農家の次男のじぃちゃんが、庄屋の娘のばぁちゃんと駆け落ちしてきたからだよと、私の両親からはそう聞いています。 じぃちゃんが私に自作の怖い話を聞かせてくれたのかとも思いましたが、多分違います。その長い話が終わった時、じぃちゃんは大粒の涙をぼとぼと、私の小さな手の甲に落としたのですから。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
3人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった32
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
週刊実話 増刊 発禁! 最恐の心霊現象2025夏 [雑誌]
心霊写真密売マニュアル 1 (HARTA COMIX)
心霊探偵八雲(1) (あすかコミックスDX)
マンガ 下ヨシ子の 実録 ほんとにあった心霊体験
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている (角川文庫)
心霊探偵八雲(2) (あすかコミックスDX)
前の話:【洒落怖】このいえのしたにいる
次の話:【洒落怖】中学時代の同級生
怖い話 No.22668
【洒落怖】帰宅
926
12
怖い話 No.85
【洒落怖】怪しいメロン売り
3378
72
2
1
中編4分
怖い話 No.7621
【洒落怖】呼び込み体質
1643
44
長編6分
怖い話 No.17477
【洒落怖】分別出来る目
1421
23
短編2分
怖い話 No.1340
【洒落怖】いないよねっ!
1880
25
短編1分
怖い話 No.9542
【洒落怖】衝撃的な事実
1618
38
怖い話 No.2442
【洒落怖】地の底から響くような声
1612
35
怖い話 No.10530
【洒落怖】エレベーターの外
朗読 洒落にならない怖い話,【怪談朗読】郁美のマヨナカラジオ,優美の怪談朗読
5321
61
4
中編3分
怖い話 No.9736
【洒落怖】空き家なった元自分の家
1552
怖い話 No.21438
【洒落怖】鈴木
1341
長編7分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
嫌な色のマンション
ミニカー
大きな塊のような物
大東亜トンネル
ずっと喋り続ける
ヤカンと髪の毛
濃密な一日
うさぎさん