怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
お出かけボックス
お気に入り
1181
35
0
長編5分
コピー
「お出かけボックス」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
かなり、以前の話になる。 私が、 某キャラクターグッズ製造・販売会社で アルバイトをしていたときのこと。 私の仕事は、 各店舗や、映画館などからの注文書にあわせて、 倉庫の中から商品を取り出し梱包、発送するものだった。 倉庫は、 体育館ほどの大きさがあり、 内部は2層の造りになっていた。 毎日大量の商品が搬出搬入しており、 中での商品の整理は皆無に等しく、 目当ての商品を探し出すのは、 いつも一苦労であった。 その日、 数日ぶりにアルバイトに行くと、 ベテランの友人O君は休んでいた。 なんでも、 崩れてきた缶ペンケースの下敷きになり 怪我をしたとのことだった。 (缶ペンケースでも1箱あれば相当の重さになり、 場合によっては死ぬこともある) 彼のいないその日の仕事は、 大変忙しいものとなった。 「あれっ? Mさん、こんな商品ってありました?」 私の取ったその発注書には 『お出かけボックス50個』 と書いてあった。 しかし、私の記憶では その商品名に心当たりはまったくない。 「あぁ、そう言えばO君が、 おとといくらいに入荷チェックしていたなー。 どっかにあるんじゃない? ついでに探しといてよ」 チーフのMさんは、 こう無責任に言った。 しかし商品を見た者は、 O君以外にはいない。 発注書を見ると、 それは大手映画会社の系列店舗だった。 どうやら『お出かけボックス』とは、 映画に関連するグッズであろう。 こうして私の『お出かけボックス』捜索が始まった。 昼食を終えた後から捜索を開始したはずであったが、 気が付くと倉庫の外では 太陽が沈んでいる時間だった…。 しかし、懸命の捜索にも関わらず、 1階と2階の主だった場所には、 それらしい商品はまったく見あたらなかった。 これだけ入念に探してもまったく見つからないとなると、 残るは2階の暗礁地域だけだった。 暗礁地域……… そこは倉庫2階の一番奥に位置し、 商品の箱々の間を延々と越えていかなければ 到達できない場所にあった。 売れずにうち捨てられた商品や、 激しい商品開発の末、 ついに日の目を見ることなく、 お蔵入りとなったの商品たちの墓場であり、 また販売促進イベントで使われ、忘れられた着ぐるみ達が、 恨みの形相で、商品の影から我々の様子をうかがっている…。 ………そんな場所だった。 しかし暗礁地域と言われる最大の由縁は、 その一帯の室内灯が、壊滅的に破壊されており、 加えて内外の光も届ぬ場所にあるため、 懐中電灯なしでは昼間でも立ち入る事が出来ない点であった。 「痛たたたた~っ!何だよ!この足場はっ!」 結局、私はたった独りで 暗礁地域での捜索を行っていた。 途中、何度も崩れてくる廃ポスターの山に 押しつぶされそうになりながらも、 次第に捜査の手を奥へと進めていった。 懐中電灯は電池が少なくなってきているのか、 次第にその明るさを保てなくなってきていた。 「時間がない」 私のあせりは次第に強くなってきていた…。 と、突然ここには似つかわしくない 目新しい段ボールの一団が目の前にそびえていた。 足下を見ると、 ここだけ埃がはいたように無い! 「これは?」 この倉庫では見たこともない、 大きな段ボールであった。 大型冷蔵庫が入っているのでは? と思われるそれには、 ピンクの丸文字で何かが書いてある。 私は慌てて段ボールに駆け寄ると、 その文字を確かめた。 『お出かけボックス×1G』 そこにはそう書いてあった。 「やっと見つかった!」 安堵の瞬間だった。 しかし、のんびりしている場合ではない。 早くそれを暗礁地域から出して、 梱包せねばならない。 私は、 その大きな段ボールを運び出そうと、 力一杯持ち上げた。 が、それは見かけにそぐわず軽かった! 勢い余った私は段ボールを、 放り出しかけた。 その瞬間!! にゃぁぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~ん 猫の鳴き声が辺り一帯響いた! それは、 1匹、2匹の猫ではなく、 50匹、100匹猫の声だった! 眠りを覚まされた猫たち。 それが、 自分の抱えている段ボールの中で不気味に鳴いている。 「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 暗礁地域での予期せぬ恐怖に私は、 我を忘れて逃げ出した。 逃げる途中振り返ると、 暗い闇の中では数え切れない程の猫たちが 何かを訴えているかのように鳴いていた…。 その後が大変だった。 動揺しまくった私の話を聞いたチーフ率いるアルバイト軍団は、 各々に網や捕獲のための道具を持って 『暗礁地域・猫大捕獲作戦』に乗り出したのだった。 そして、 暗闇で鳴き続ける問題の段ボールをアルバイトが押さえつけ、 中を確かめるべく、 チーフがゆっくりとガムテープをはがしていった。 ……中にはぎっしりと………… お出かけボックスが詰まっていた……。 『チャトラン・お出かけボックス』 私が探していた物は、 映画『子猫物語』の劇場販売グッズであった。 それは、 紙で出来たバスケットケースであり、 表面には子猫『チャトラン』が愛くるしい表情で描かれていた。 そして、子供が持って歩くなど振動を与えると、 中からかわいらしい猫の鳴き声がするように仕掛けされているものだった。 かわいらしい鳴き声? それは1匹や2匹でのことである。 段ボールに書いてあったのは『1G』。 つまり1グロス。 1ダース(12匹)×12セット=144匹。 「猫144匹!?」 これではどう聞いても 『恐怖の大王の唸り声』にしか聞こえなかった。 数日後、怪我も治り 顔を出したO君に非難は集中した。 「おいO君、 何で『お出かけボックス』をあんな所にしまったんだ!」 「え?あそこは売れ残りとか、 古い物をしまっておく場所でしょ?」 「そうだよ!わかってるんじゃないか。 じゃあ、なぜ公開前の『子猫物語』グッズを、 あそこにおいたんだ?」 「公開前? いやだなぁ!ぼく、けっこう前に観ましたよ。 タロウとジロウは…」 「………それは、『南極物語』」 「あっ!道理で犬が主役のはずなのにおかしいなぁって…(笑)」 「……………(泣)」
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった35
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
フォロワーさんの本当にあった怖い話
2chまとめ 怖い話 短編集47話 2ch洒落怖
実際にあった怖い話 2024年11月号
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)
前の話:【洒落怖】お風呂の換気扇
次の話:【洒落怖】大きな蛇
怖い話 No.1824
【洒落怖】後ろに衝撃
1204
1
短編2分
怖い話 No.8383
【洒落怖】PCのモニター
朗読 【怪談朗読】新崎郁美のマヨナカラジオ,G級戦犯(怖い話朗読)
1701
64
怖い話 No.472
【洒落怖】葬儀屋
1819
25
2
中編3分
怖い話 No.2376
【洒落怖】尾の長い生き物
2043
33
中編4分
怖い話 No.8814
【洒落怖】初詣
1646
29
怖い話 No.948
【洒落怖】PCのモニターに何か映ってる
1246
21
怖い話 No.20958
【洒落怖】呪いの藁人形代わり
1036
22
怖い話 No.10290
【洒落怖】かまくらの中にいた老夫婦
1130
40
怖い話 No.20421
【洒落怖】変な客や変な物
3241
68
怖い話 No.1102
【洒落怖】天井裏から
朗読 りょりょの怪談チャンネル【作業用かいだん朗読】
2480
48
長編9分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫