怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
九州のとある離島の養殖場
お気に入り
1100
45
0
長編5分
コピー
「九州のとある離島の養殖場」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
30年以上前の話だそうだ。知人から聞いた話なので、詳細は不明。まあ、あまり深く知りたいとも思えな種類の話だ。九州のとある離島。といっても、何という島かはすぐに分かるんだが、とりあえず伏せておく。その島に海老の養殖場が造られることになった。大規模なもので、工事期間は一年近く及んだ。 その間、かなりの事故や人災が起きた。建設現場で働く人々も、これは何かあるなと思っていると、案の定多数の人骨らしきものが出てきた。それはかなり古いもので、埋葬もされておらず、打ち捨てられ朽ち果てたものだったらしい。何か歴史的な経緯があったのだろうが、出資者や建設会社は具体的な調査もせず、そのまま工事は続行された。ただし、不安に包まれた現場の空気を察して、ある徳の高い僧侶が招かれ、祈祷供養することになった。一昼夜にわたる祓い清めの最中、その僧侶は己の力不足と、加持による恒久的な慰霊を勧めたそうだ。曰く、「ここには一族郎党を屠られた怨みの念が強くある。その一族の長を弔わねば、災いがなくなることはないでしょう」それを聞きつけた関係者は、やっぱりと思ったそうだ。地鎮祭の時、神主の振る榊がまっ二つに裂けたという。大幅に工事は遅れたものの建物は完成し、何とか養殖所の操業が始まった。あいかわらトラブル続きで、事業はうまくたちいかない。融資者の何人かは、説明のつかない災難に見舞われたりしたそうだ。そして養殖場の中では、いくつもの幽霊が徘徊した。事務所、冷凍工場、養殖池、至る場所、昼夜を問わず幽霊は出現したらしい。そこで働く従業員のうち、そういう現象に慣れる者もいた。手首に数珠を巻き、出くわしたら両手を合わせる。そんな光景があたりまえになった頃、やはり、どうしても馴染めぬ人たちもいた。内地から泊りがけで勤務する警備員は、特にそうだった。当時、その知人は地元でフリーターをしていた。ちょうど仕事が切れた頃、割のいい警備員のバイトを見つけた。配置先がその養殖場だったというわけだ。「幽霊を見たからって、何があるわけじゃない。ただ、気味悪いだけだと思ってた」知人の仕事は敷地内の巡回警備と、建物の入管チェックだったが、その他にも重要な仕事があった。それは、深夜に頻発する電源トラブルの復旧作業だった。海老を冷凍保存するための設備が、原因不明の停電を起こす。その際、設備の分電盤に行ってブレーカーを戻したり、制御盤のヒューズを交換するというものだった。「でも気になってたよ。背筋がぞくっとくるのがさ。あれって人間の本能的な反射だろ。危険を感じた時なんかのさ」知人が冷凍工場のトラブルに対処する際、常に二人で行動した。そして、工場内のとある場所で、必ず二つの幽霊を目撃したそうだ。一つは、通路の曲がり角をすっと横切る姿。もう一つは、機械室の扉を開けるタイミングで、ぼーとあらわれる着物を着た男。「何度も遭遇して、場所もタイミングも分かってるんだけど、ぞぞってくるんだよな。俺の本能が危険を知らせてるのかと思ったね」同じバイトだった知人の同僚は、勤務して三日目に高熱を出し、耐え切れずに仕事をやめたそうだ。「そいつがいなくなってから、曲がり角の幽霊がぱったり現れなくなった。たぶん、幽霊がそいつに取り憑いて、一緒にどっか行ったのかもしれないな」そんなことを考えていた知人は、ある時、気味の悪い妄想を払拭できなくなったという。「つまり、幽霊が成仏するとしてさ…誰かの死に便乗?みたいなことするんじゃないかってね」知人はその考えに囚われて、仕事を続けられなくなったそうだ。「俺も馬鹿げた考えを否定したくて、いろいろ聞いて回ったんだが、やっぱり因縁はあるんだよ」その島は、鉄砲伝来の地であるということ。そして、刀狩や鉄砲禁止令によって、一つの技術者集団が歴史から抹殺されたこと。知人は、何ら確証があるわけではないと断りをいれながら、自分が目にした幽霊の姿や振る舞いから、そんな風に想像したのだと語った。「技術大国の日本が、ロケットの打ち上げに失敗するだろ。そのたびに、何か非科学的な妄想にとらわれるな」そう言えば、あの島には衛星打ち上げの基地があった。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった45
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
お隣さんの騒音がすごい どこかの誰かの体験談マンガ
日本生まれのインド人、メタ・バラッツのスパイスカレーユニバース (インターネットオブスパイス)
転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。 二度目の人生はハーレムルート!? 1 (アース・スターコミックス)
パラドックスループ-うまくいかない私たち-
まいみ!
嘘つきな彼氏(推し)を懲らしめた話 1 ますまゆまんが!集
前の話:【じわ怖】悪いエンジェルさま
次の話:【じわ怖】部屋のトイレの壁
怖い話 No.4379
【じわ怖】同級生の元妻
1356
36
短編1分
怖い話 No.19050
【じわ怖】彷徨える女
1706
37
長編10分
怖い話 No.18631
【じわ怖】口論している声
1882
39
短編2分
怖い話 No.13242
【じわ怖】山の廃屋
889
怖い話 No.19288
【じわ怖】九州の名家
1613
怖い話 No.4350
【じわ怖】ケサランパサラン
1582
42
中編4分
怖い話 No.13079
【じわ怖】お茶刈りの手伝い
1506
34
怖い話 No.20618
【じわ怖】霊が見える父親
1765
33
中編3分
怖い話 No.18978
【じわ怖】ネジ
1986
55
怖い話 No.4747
【じわ怖】目を覚ますと
1448
38
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
友達の様子がおかしくなってきた
3人で横一列に並んで歩いていた
元恩師にストーカーされていた
家鳴り?
幽霊のいた家
公衆電話ボックス
子供がうるさい