怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
本物の山狂い
お気に入り
1660
42
0
中編3分
コピー
「本物の山狂い」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
ある山男の話。この話の体験者は、話者によると『本物の山狂い』であるそうで、暇さえあれば山に登っているような男なのだという。ある日のこと。この男がとある山へ登ったが、程なくして猛吹雪に見舞われた。疲労困憊しながらも雪中で決死のビバークを行い、二日後に自力で下山したものの、代償は大きかった。 彼はこの遭難によって、左手の人差し指、中指、薬指を凍傷で失うこととなったのだという。しかし、この程度でへこたれないのがこの男、というより『山狂い』に共通する性格である。左手の指をほとんど失っても、彼は山に登るのを諦めなかった。むしろ、以前よりも山に対する闘志が強くなったのだという。彼は失った指をカバーするために死に物狂いの研鑽を積み、やがて再び登山を志した。事件後、初めての登山だった。彼はある峻厳な岩の尾根を登っていた。指を失いはしたが、本人が思った以上に歩調は快調だった。そのことに安心して、尾根の上で体を起こし、ふぅ、と息をついた途端だった。びゅう、と思い出したように突風が吹き、ふわりと体が持ち上げられた。あっ、と思った時にはバランスを崩して、深い谷に真っ逆さまに落ちそうになった。あっ、落ちる。そう思った時には、自然と体が動いていた。一瞬、間があって、彼は目を開けた。そこで彼は信じられないものを見たという。彼の体は、無意識のうちに左手を斜面に張り出した岩に伸ばし、それで滑落を免れていた。ただよく見ると、左手に残された親指と小指は、掴んでいるはずの岩の出っ張りを掴んではいなかった。それどころか、その二本の指は、その岩の出っ張りに触れてすらいなかった。彼は宙に浮いていたのである。しかし、彼にはわかった。失われたはずの三本の指が、その岩をしっかりと掴んでいる感触があったのだ。目に見えない三本の指が、彼の命を救っていた。極限の緊張と恐怖の中で、彼は何度も目を瞬いたという。やがて彼は見えない三本の指に体重を預けたまま、必死に無事な右腕を岩の出っ張りに伸ばし、全身を持ち上げた。艱難辛苦の果てに尾根に全身をずり上げた後、彼は左手を見てみた。しかし、当然ながらそこに無くした指は戻っていなかった。けれど、彼の幻の左手の人差し指、中指、薬指の三本の指に、岩のごつごつとした感触が消え残っていたという。「俺はついに、神の手を手に入れたようだ」彼は事あるごとにこの時の体験を口にし、真っ赤な顔で笑うという。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった42
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
僕が死ぬだけの百物語(1) (サンデーうぇぶりコミックス)
N 1 (電撃コミックスNEXT)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
前の話:【じわ怖】同い年の子供
次の話:【じわ怖】おかしな子供
怖い話 No.21772
【じわ怖】ビビリの肝試し
934
35
1
長編5分
怖い話 No.12100
【じわ怖】娘と家の前で遊んでた
1626
55
怖い話 No.12203
【じわ怖】願い事が叶う寺
1444
43
短編2分
怖い話 No.18967
【じわ怖】姉キの部屋
1109
49
怖い話 No.19151
【じわ怖】二階の窓に幽霊が出る
1224
怖い話 No.13846
【じわ怖】非常階段のマーク
1198
28
怖い話 No.11851
【じわ怖】朝起きると必ず喉が痛いということがあった
690
51
怖い話 No.5419
【じわ怖】SUN
1372
23
中編4分
怖い話 No.12380
【じわ怖】会社でお世話になった人
1681
36
怖い話 No.4554
【じわ怖】よく見かける男
817
短編1分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
友達の様子がおかしくなってきた
3人で横一列に並んで歩いていた
元恩師にストーカーされていた
家鳴り?
幽霊のいた家
公衆電話ボックス
子供がうるさい