怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
小汚い店
お気に入り
1011
50
0
中編4分
コピー
「小汚い店」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
それは私があと三日で会社を定年退職する、 という時の事でした… その日、同僚のSさんと 一緒に飲もうという事になりました。 いつも私達が帰りに寄る辺りではなく、 別の駅で降りてぶらぶらしながら店を探していました。 私は会社をやめた後は 息子夫婦と同居する事になっていたので、 途中で孫の為におもちゃを買ったのです。 それで、Sさんと一緒に何処で飲もうかと話していたのですが、 私は何故かビルの間にひっそりと建っていた一寸、 こう言っては失礼かもしれませんが 小汚い店へ入ろうという気になったのです。 なぜそんな気になったかは分かりませんが、 何故かこの店が私を呼んでいる、 というような気がしたのでした。 それでSさんも別に反対しなかったので、 その店に入ろうという事になったのでした。 その店へ入ったら、 客は私らの他に誰もいず、 不気味な感じがしたんですが まあ、静かでいいや、 といつものようにビールを注文して飲んでいたのです。 店の親父も何か生気が無いような感じで、 私も何か言いようの無い感じ、 誰かにじっと監視されてでもいるかのような気配を感じたのです。 気持ちが悪くないという事は無かったのですが、 どうせもう年寄り、どうなろうと知ったこっちゃない、 とかまわず飲み続けたのです。 そうこうしている内に、 まだ瓶で一本しか飲んでいなかったのですが、 気分がどんどん悪くなってきて、 もうこりゃたまらん、という気になったので、 一緒に飲んでいたSさんにそろそろ出ようかと言い、 Sさんもすぐにそうしましょう、といったので 勘定を精算して店をでたのですが、 その嫌な感じは、 店を出てからも私に付いて回りました。 それで、Sさんにこの事を話した所、 実はSさんも嫌な視線を感じていたという事です。 今までまったく霊体験のなかった私は、 一体何なのかとますます気分が悪くなり、 すぐに帰宅しようと早早にSさんと別れたのですが、 その後すぐ、子供の声が聞こえたような気がしたのです。 まだそんなに遅い時間ではなかったのですが、 それにしても子供の声が今ごろ聞こえるとは解しかねる。 そう思ってあちらこちらを見回してみたのですが、 子供の姿など全然見当たりません。 なのに、声はまだ聞こえるのです。 耳を澄ましてみますと、 五歳ぐらいの男の子の声で、 「おじいちゃん…」 とか 「僕にも頂戴…」 等と言っているのです。 私は逃げるようにしてタクシーを捕まえて飛び乗り、 しばらくは恐怖に震えていたのです。 運転手は少し怪訝そうに 私をバックミラーで眺めているようでしたが、 私が少し落ち着いたと見るや、 「どうしたんですか」 と聞いてきました。 私は先ほど起きた出来事を 包み隠さず運転手に話したのです。 すると、運転手は 「ああ、そうだったんですか… 実はあの店の店主には お孫さんが一人いたんですがね。 その息子夫婦というのが酷い夫婦でね、 息子、つまり店主の孫ですな、を虐待していたんです。 そのお孫さん、K太といったかな、を殴る蹴る、 という事を普通にしていて、 家から追い出してしまう、という事もやってたんです。 そうしたら、K太君は家の近くの、 あの優しいお祖父ちゃんがいる居酒屋へ逃げ込む、 という事をやってたんですよ」 「それは酷いね」 私は言いました。 「ええ、ですが、まだ酷いのはここからでね。 ある日よっぽどK太の事が気に障ったんでしょうな。 いつものようにK太を家から追い出した後、 父親があそこの例の居酒屋まで追いかけてきて、 K太君を殴り殺してしまったんですな。 それを見た親父さんは精神に異常をきたして入院してしまい、 間もなく自殺。 その店は誰も借り手が無くて 廃墟のようになってしまったんですよ」 そこまで聞いて、 私はハッとしました。 「えっ、そんな、だって、 私はさっきまであの店にいたんですよ!」 「ええ、あなたの事が羨ましかったんでしょうな。 ついつい呼び込んでしまったのでしょう」 私はそう言われてそうとう怖くもあったのですが、 何分今まで霊など見たこともないので、 運ちゃんに対し反発も感じ、 「なぜそんな事が分かるのですか!」 と、少々食って掛かりました。 すると、運転手は 「私ね…生まれつき霊感が強いほうでね… 見えちゃうんですよ」 「だから何がですか!」 私はほとんど叫ぶように言いました。 「ほら」 運転手は前をみたまま後ろを指差しました。 「ついて来ちゃったようですね」 私が急いで後ろを振り向くと、 そこには顔面痣だらけで 右目が殆んど潰れている子供の顔と、 あの陰気な店の親父の顔がガラスに張り付いていました。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった50
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
漫画売れ筋
私の日常。
Get Backers 奪還屋【極!単行本シリーズ】1巻
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 13 (ドラゴンコミックスエイジ)
BLUE GIANT MOMENTUM(3) (ビッグコミックススペシャル)
ぼっち・ざ・ろっく! 7巻 (まんがタイムKRコミックス)
ドカ食いダイスキ! もちづきさん 1 (ヤングアニマルコミックス)
前の話:【洒落怖】お寺の娘
次の話:【洒落怖】検問
怖い話 No.7397
【洒落怖】赤ちゃんの鳴き声
1323
44
短編1分
怖い話 No.1808
【洒落怖】防御策
1285
37
怖い話 No.17488
【洒落怖】祖母の一周忌
968
24
怖い話 No.8636
【洒落怖】念願の一人暮らし
1304
29
中編3分
怖い話 No.2709
【洒落怖】別れた女
朗読 ホラーの泉-洒落怖まとめ【ゆっくり怪談】
2414
41
2
1
長編5分
怖い話 No.21000
【洒落怖】包帯さん
1260
怖い話 No.7270
【洒落怖】赤いヒト
1210
38
怖い話 No.1073
【洒落怖】この歩道橋は
1725
33
怖い話 No.17857
【洒落怖】ニュルニュル
1593
怖い話 No.503
【洒落怖】おきよめ塩
1626
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫