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正体がわからないギャル
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この間とても不思議な……怖いような…… なんとも言えない体験をしました。 僕は大学の友人から 都内下町のある神社の裏にある小さな祠?灯籠?のような 扉の付いているものがあって、 それに深夜いたずらするとあの世へ連れて行かれる、 という話を聞きました それが僕の実家の側であることがわかり、 遊びに泊まりに行くついでに確かめたい! と言うので久々実家に顔を出しに行きました。 子供の頃からその神社の周辺で遊んだりしたことはあるのですが、 遊ぶ内容はほぼポケモンをゲームボーイでみんなで一心不乱にやっているだけで、 神社にしっかりと顔を向けたことはありませんでした。 久しぶりに実家に帰るとお節介な母親、 昔と違って少しスレてしまった弟がいましたが 友人と簡単に打ち解けWiiで4人で楽しく遊びました。 さて、そろそろ寝る時間だ、 と母は自室に引き上げ、 弟もゲームに飽きはじめたのでスマホゲームを始めました。 じゃ、やることも無くなったし、 と友人が言うとそう言えば神社に行くんだった、 と時計を見るともう0時前でした。 家から近いと言っても行くまでに歩いて 15分はあります。 駄弁りながら途中コンビニに寄ったりしていると 0時半頃に例の神社につきました。 神社の周りはぐるっと石段で覆われ、 その神社を作るのにお金を出資した人の名前が書いてありました。 内側には何本か大木が連なり、 その影で深夜も明るい都内の光を遮り、 周りとは対照的に暗く見えました。 友人が入り口からズンズンと進んでいくのとは逆に、 僕はその雰囲気に圧倒されて友人に置いていかれないように、 でも奥には行きたくないみたいに 友人にいつでも飛びつける微妙な距離を取って後ろを付いて行きました。 ちゃんと大きめのブロックで舗装されてる道を進むと すぐに鳥居が見えました。 怖くてあんまり見渡したくなくて 友人の背中ばかり見つめていました。 「隣は……保育園か幼稚園かな? あ、手水舎と……これが本堂かな?」 友人はあちこち見回しながら僕に聞いてきました。 僕は釣られて隣を見ました。 確かに、隣にはさらに柵に囲まれた建物があり、 柵の内側と建物の間に小さな遊具が見えました。 ポップな感じのデザインの柵だったので割と恐怖感が薄れ、 しっかりと前を見て神社を観察してみました。 しっかりとした作りで、 寂れたような雰囲気は暗闇でも全く出ていませんでした。 手入れの行き届いた感じで、 よくホラー映画やゲームで出てくるような 廃れたような汚らしい神社のような感じは微塵もありませんでした。 そこで全く恐怖感が無くなり、 むしろ深夜の神社に全く怯えない俺ツエーみたいな気持ちも湧き上がり、 明日大学で勇ましかった自分という武勇伝をかんがえはじめていました。 そばにある掲示板のポスターをマジマジと見つめていた友人を引っ張り 早く裏にある祠とやらを見たいと急かしました。 神社の、右手側にあった保育園とは反対側の左側を見ると、 また建物があり、神社との間に道が見えました。 当たり前のようにそこへ向かいました。 もう、頭の中は大学で仲の良い友達や 気になってる女の子たちが自分の武勇伝に聞き惚れて 普段イジられているポジションから脱却出来た妄想をしていました。 左側の建物は倉庫のようでした。 iPhoneで照らすと ガラスの戸越しに綺麗な神輿が飾ってありました。 本当に普通の神社じゃないか。 そう思い足を進めてピタリと止まってしまいました。 iPhoneで照らされた本堂の裏には 墓石のようなものがうず高く積まれ苔むしていました。 まるで小高い丘でしたが、 気味悪さにまた恐怖感が押し寄せました。 しかし、友人は突然登りはじめたのです。 何やってるんだよぉ!と言うと 「なんかこういうとこ登りたくない?」 と返されました。 その度胸ある行動先ほどの俺TUEEEEEの妄想が蒸し返し、 僕も登ろうとiPhoneを持ったまま登ろうとすると、 iPhoneの光が祠のようなものを一瞬照らしました。 そういえば祠を探しに来ていたんだった、 と僕は思い出し、 墓石の丘から手を離し、丘から少し離れた、 神社の最奥にある小さな赤い、 祠のようなものの前に行きました。 友人が丘からなにか話しかけて来ましたが 目の前のものに興味を奪われ 無視してしまいました。 よく怖い話である、圧迫する空気とか、 ここにいてはいけないような気がするとか、 なんか不安とか、 そういう気持ちは全くありませんでした。 そして胸の高さくらいの祠のようなものに小さなドアのような、 蓋のようなもののノブを無意識につまみ、開けました。 本当に、世界が変わったんです。 真っ暗な神社にいたはずなのに、 なぜか知らない、明るい部屋にいました。 板張りの床、白い壁紙、ベッド、 小さなテーブルや棚などがありました。 全てそのへんで売ってそうな物で、 ついさっき起きた不可思議な出来事と日常感が入り混じり とても変な気分でした。 何より、もっと驚いたのは人がいたのです。 普通の恐怖体験の話では、 白い服を着た長い髪の女や、 おかっぱの女の子とかなのですが、 そこにいた女の子はギャルでした。 まごうことなきギャルでした。 茶髪にくるくるウェーブが巻いてある髪、 つけまつ毛やアイラインなどのガッツリメイク、 肩だけ穴の開いてる服にホットパンツ、 ゴテゴテのピアス、ネックレス、指輪。 本当にギャルでした。 部屋も思い返すと女の子風な部屋でしたし、 本棚には女の子たちがよく読むメイク雑誌などがあった気がします。 僕から一メートルほどのところで座りながら スマホをいじっていました。 そのギャルは、 突然現れた僕を見ると、 一言、 「うっわ」 と言いました。 え?え?と本当に頭がついていかず困惑しまくってる僕に、 そのギャルは 「帰りな」 と短く言うと掌を僕にパッと向けました。 すると、ドンッと突き飛ばされたような衝撃がしました。 スターウォーズのジェダイとかが 念力っぽいのを使ってましたよね。 あんな感じでした。 そしてまた世界が変わり もとの神社の墓石の丘の前にドサリと落ちました。 落ちたと言っても、 足は地面についていたのですが バランスが取れずに尻餅をついた感じでした。 友人が駆け寄ってきて 「どこにいたんだよ!」 みたいなことを言いましたが、 僕は呆然と祠を凝視してしまいました。 僕の視線に気づいた友人が僕を起こすと祠に近づき、 あのトビラのノブに手をかけようとしました。 僕は止めるように友人の肩を掴みましたが、 遅かったようです。 また僕は友人とあの部屋に座り込んでいました。 友人は何事かと立ち上がり部屋を見渡しました。 そして部屋の中央に、 またギャルがいましたが、 さっきと違いました。 ギャルは心底ダルそうな顔で、 「帰れって言ったじゃん、マジウザい…」 と呟くと だらりと下げていた右手を胸の高さまで上げました。 その手には日本刀が握られていました。 殺される! もう友人も僕も大パニックです。 ガクガクと震え、 よたよたと後ずさりします。 そんな僕達を見ると ギャルはまた掌を僕達に向けました。 その時ギャルの顔をよく見たのですが、 割と可愛かった……のと、 頭の右側に角のようなものが見える、 と思った瞬間また突き飛ばされたように墓石の丘の前に。 友人と二人で呆然としました。 何があったんだろう。 理解がさっぱり追いつきませんでした。 しかし、怖さとかはありませんでした。 友人と僕は立ち上がると、 今度は一歩一歩ゆっくり歩き、 また祠の前に立ちました。 確かめたかったのです。 ギャルの正体を。 突然、ゴチ、ゴチン、ゴゴッという音が後ろから聞こえました。 振り返ると、 墓石の丘から墓石が転がってきているのです! そして、突風が吹いたと思うと、 「面倒くさいなぁ!」 とあのギャルの声が聞こえました。 僕達はそこで恐怖がまた襲ってきました。 墓石が僕達の方にまっすぐ向かってきています。 急いで出口まで向かい、 全速力で神社から飛び出ました。 家に帰ってから 友人とあの部屋はなんだろうと話し合いましたが 結局わかりませんでした。 1つ食い違ったのは友人は、 ギャルの角は5つあったと言っていました。 僕は、東方のスイカのような 真横から一本の捻れたものしかみえませんでした。 これを書こうと思ったのは、 買い物で高田馬場を歩いていたらあのギャルが居たんです。 思わず立ち尽くしてしまいました。 ギャルはこちらに気づかず 人混みの中に消えていきました。 すいません、こういうものを書いたことがなくて あまり学も無いので拙い文章になりました。 でも、どうしてもギャルの正体がわからず 皆さんに聞こうと思った次第です。 あれは鬼の類だったんでしょうか……
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