怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
夜道で会った子供
お気に入り
2457
52
0
1
長編5分
コピー
「夜道で会った子供」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
“クロちゃん”という呼び名の、某ゲーム会社で働いている男がいる。 ある連休の初日に、クロちゃんはひさしぶりに遊び仲間と飲み会をやって、べろんべろんになってしまった。クロちゃんの実家は郊外にあるI市だ。 方向がいっしょの仲間の車に便乗して、国道の適当な場所で降ろしてもらった。二キロメートルほど歩かなくてはいけないが、終電なんてとっくの昔に出てしまっているし、タクシーもめったにつかまらない時間なのだから、これはどうしようもない。 「ほんなら、気ィつけてな」「ん。また近いうちになー」で、クロちゃん小さくなってゆく仲間の車のテールランプに手を振ってから、脇道に入ってゆっくりと歩き始めた。 郊外都市といっても、このあたりは古い街道町のおもかげが残っていて、うらさびしい。まして深夜なのだからなおさらである。 道の両側の、こちらに倒れかかってきそうな圧迫感を感じる木造家屋の窓は、黒々とした闇を内側に閉じ込めていて、ひっそり閑としている。まるで穴蔵だ。 カタカタカタ、カタカタ----。その腐った格子のついた窓が、いっせいにかすかな音を立てた。 風のいたずらであるらしい。(はじめて通る道だけど・・・え~と、まちがっちゃいないよな)よく知っている町であるはずなのに、なんとなく違和感をおぼえたクロちゃんは、アルコール分120%の頭のかたすみで、そんなことを考えていた。 めったに散髪しない髪の毛が、さやさやと風に動いて首筋にあたるのが気持ち悪い。心なしか、風がなまぐさい。 (橋は渡ったかな?渡ったはずだよな?渡らなかったかな?)そんなときだった。キ-----ッ、きききききききききッ。 静まり返った闇をやぶって、夜の町に甲高い音が響いた。獣の鳴き声にも、鳥の声にも似ていた。 だが、どうやら人間の奇声であるらしい。ガラスの表面を針の先でひっかくような、神経を逆なでする奇声だ。 ひどくいやらしい、笑い声にも思えた。(-----? なんなわけ?)頭の後ろのほうにちりちりしたものを感じながら、反射的にクロちゃんはあたりを見回した。 誰もいない。何もない。 奇声はあれ一回きりのようだった。頭の中で尾を引いていた奇声も、すぐに現実味を欠いていった。 ほんとうに奇声が響いたのかどうか、わからなくなってしまったクロちゃんだった。(気のせいじゃないよな。 人間の声だったよなあ。鳥とかじゃなくてさあ)自分自身にたずねながら、闇の向こうをすかして見ていたクロちゃんの耳に、やがてまた伝わってくるものがあった。 といっても、二回目の奇声じゃない。(これは---)足音のようだ。 道の彼方から、こちらに近づいてくる。こちらに向かってくるようだ。 が、それにしてもなんだか濡れているような、ねばっこい足音なのだ。ぺたっ。 ぺたっ。ぺたっ。 ぺたっ。闇の中に、人影がにじみ出た。 自分のように終電に乗りそこねて、深夜の家路を急ぐ通行人だろうか。まさか、さっきの奇声を発した本人とは思えないが。 (もしも、そうだったら・・・ヤバイな)それにしても、ずいぶん小さな影だ。背が低い。 極端に低すぎる。「-----」子供だった。 五、六歳だろうか。髪をおかっぱに切りそろえた男の子である。 それが、小走りにこちらに向かって駈けてくる。ぺたっ、ぺたっ、と足音をしきりにたてて。 こんな時間に子供がどうして外をうろついているのか。いや、そんなことよりも近づくにつれて、もっと異常なことが見て取れた。 丸裸なのだ。何も体にまとっていなかった。 そして全身は濡れているらしく、ぬらぬらと光っているのが、闇の中でなぜかはっきりと見てとれたのである。あれは、水で濡れているのだろうか?気のせいか赤い色がちらちらする。 煮凝りの汁のように、ねっとりした---。ぺたっ。 ぺたっ。びちゃっ。 ぺたっ。クロちゃんは、酔いが急速にさめていくのを感じた。 常識はずれた性格だと日頃自分でも思っていたはずなのに、こんな場合どうしていいかわからなかった。道を引き返して、あの子供をやりすごすべきだろうか。 それとも反対に子供をつかまえて、事情を確かめるべきなのか。しかし、つかまえるといっても、あれはほんとうに子供なのだろうか。 ・・・人間なのだろうか?ぺたっ。びちゃっ。 ぺたっ。びちゃっ。 ぺたっ。ぐちゃっ。 そんなことを考えたのは、あっという間である。すぐに子供は、クロちゃんのそばまでやってきた。 子供は、にこにこと笑っていた。何かが、べっとりとついているらしいその顔で笑っていた。 ただしそれは、クロちゃんに笑いかけているのではなくて、虚空をただじっと見つめながら笑っているのであった。そうして、その子は両手に何かを握っていた。 よくわからなかったけれど、クロちゃんの目にはそれが、おそろしいほどたくさんの髪の毛に見えた。水垢みたいなものがこびりついている髪の毛。 それが小さな握りこぶしの間から房になって垂れて、揺れていた。バサバサと・・・。 裸んぼの子供は、クロちゃんとすれちがうと、国道のほうに駈けていった。びちゃっ、びちゃっ、べちゃっ、ぐちゃっ・・・・。 今や“ぺたっ、ぺたっ”ではなく“べちゃっ、びちゃっ”と、何か汚らしい汁をまきちらしているような粘液質の足音は、しだいに遠ざかっていった。あとには道の真ん中に、完全に酔いのさめてしまったクロちゃんだけがぽつんととり 残された。 「何だったのかって?あのガキが?・・・・なんなんだろうなあ。今でもあの、びちゃっ、びちゃっ、っていう気色の悪い音が、耳にこびりついてたまんないよ。 あんなのにまた夜中にばったり会うくらいだったら、簀巻きにされて川ン中に放りこまれる方がなんぼかマシだよなあ」人を食ったコメントも、また彼らしいものである。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった52
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
こどもの頃のこわい話 きみのわるい話 (竹書房怪談文庫)
実際にあった怖い話 2026年7月号
こわいやさん 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
身近で起こった怖〜い話①
身近で起こった怖〜い話⑧
本当にあった怖い体験談7: てにくまちゃん。の怖い話 てにくまちゃんの怖い体験談
鈍色蝶々
クロちゃんです!ワワワワワァ~♪ (爆)
前の話:【洒落怖】息子と散歩
次の話:【洒落怖】もんぺの女
怖い話 No.8894
【洒落怖】花壇の顔
1203
44
短編2分
怖い話 No.2728
【洒落怖】コートの女
1869
30
中編3分
怖い話 No.14545
【洒落怖】不思議な石
朗読 OCCULT HITORI 怪談朗読ラジオ オカルトヒトリ,りょりょの怪談チャンネル【作業用かいだん朗読】
2528
53
怖い話 No.9600
【洒落怖】網戸を連打
1669
46
短編1分
怖い話 No.22222
【洒落怖】餓鬼と即身仏の話
1011
怖い話 No.17343
【洒落怖】新長崎駅
1800
33
怖い話 No.22726
【洒落怖】放心状態
1376
25
中編4分
怖い話 No.561
【洒落怖】猫の話
1501
28
怖い話 No.8998
【洒落怖】近づく音
1934
怖い話 No.7333
【洒落怖】急に寒気がして鳥肌が立ちました
1785
38
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
思い詰めた幽霊
象の足
オキテル
細い髪の毛の束
ピエロの夢
石碑と女
どうか呪わないで。 空き巣より
体育館の公衆電話
お茶漬け専門店