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たまに聞こえる声は激しく罵りあう声と子供の泣き声
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現実じゃないかもしれないけど一年程前。 あたしの家は北向きで、二階建て。2階の南側の部屋があたしの部屋です。 南に窓があります。今は家の南側はこぎれいな住宅地になっていますが、住宅地ができる前は古い長家でした。 当時はその住宅地を作るため長家を取り壊して工事中でした。長家の廃材を片付けて新しい家の柱を組んでる最中だったと思います。 ちょっと精神の逝ったおじいさんと父親が女作って出て行ったきり消息不明の家族がすんでいました。家族の方は喧嘩が絶えない家庭であたしの家もすごかったですが向こうもものすごかった。 おじいちゃんも怪しい行動が目立ち、よく一人でわめきちらしていましたが長家がとり壊される少し前に亡くなりました。前振りが長くなりすみません。 あたしの家はおかしなことがよく起こっていたのですがあたしが成長するとなくなってきました。なくなったはずだったんですが…夢を見ました。 あたしは窓に背を向けて寝ています。夜なのに窓の外も部屋の中もすごく明るくて綺麗でした。 窓の外から子供の笑い声が聞こえてきます。部屋は2階なんですが何故か窓のすぐ下?は地面なんだと背を向けているのにわかりました。 外は良い天気というより空の色もなくただ白く光ってる感じでした。小高い丘になっていて綺麗な花がたくさん咲いています。 その丘の頂上付近で子供が二人遊んでいて、そばには白い着物をきて黒くてまっすぐな長い髪をした綺麗な女の人が優しい顔で子供達を見ています。けっこう距離があるはずなのに窓のすぐ外で遊んでいるように声が間近で聞こえました。 あれ?おかしいなぁ、裏はたしか工事中だったよなぁと思ってまどろんでいましたがあまりにほのぼのした光景が背を向けていたのにわかったので気にしませんでした。すると子供がこちらに気がつきました。 「お姉ちゃんもこっちきて一緒に遊ぼうよ!!」と二人で窓のとこまでかけてきました。一緒に遊びたいと思いましたが急に絶対にいっちゃ駄目だ。 戻ってこれなくなる。と頭で誰かの声?がしてあたしは体を硬くしました。 絶対に寝返りを打ってもいけない、窓を見てはいけないて確信がありました。でも子供があまりに可愛かったので心の中でごめんね、お姉ちゃんはそっちには行けないの。 と呟くとそれがわかったのか「大丈夫だよ!!」と二人で誘いをかけてきます。あたしは黙ってじっとしていました。 すると子供達が笑いながら窓をどんどん叩くんです。狂ったように遊ぼう遊ぼうって。 段々恐怖が大きくなってきて心の中で念仏をとなえたりしてました。その頃にはこの人達生きてない、てわかりました。 急に女の人の顔がアップで頭に浮かびました。見てないのに見てる、て感覚です。 あんなに綺麗で優しい微笑みを浮かべていたのにあたしを見つめる顏からは表情が消え、女優霊のあの霊?みたいな不自然な笑いを浮かべていました。白目がないんですよ。 その間も窓を叩く音は止まず、急に体の中に何かが入ってきたような感覚になりました。背中から入ってあたしの何かを窓の方に引っ張るように。 必死でこらえました。絶対にいっちゃいけない、てだけで。 怖さも全部飛んで女を睨みながら必死で自分の体にしがみつきました。この勝負に負けると死ぬんだってわかりました。 絶対に行かない!!て何回も何回も心で叫びました。何時間もそうしていたような気がします。 気付くと朝でした。冬なのに汗をたくさんかいていました。 だからただの夢だったのかもしれません。夢にしてははっきりしていましたが…現実か?と言われると自信はありません。 裏の住宅地ができて幸せそうな家族が越してきました。しばらくは仲も良く良い家族だなぁとうらやましかったんですが最近お父さんがおかしく?なってきたみたいです。 毎晩のように聞こえてきた笑い声は途絶え、たまに聞こえる声は激しく罵りあう声と子供の泣き声です。どうしたんだろうと思っているうちにあの夢を思い出しました。 あたしの家の付近はうちも含め家族運がありません。気が狂う、離散する、異常な程の独占欲を持つ、など…まぁ今も普通に住んでるわけですが。 その家族はうちの裏に住んでいて、そこはおじいちゃんが気が狂ったまましばらく発見されずに死んだ位置と全く同じ位置です。
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