怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
キジムナー
お気に入り
1369
41
1
中編3分
コピー
「キジムナー」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
30年くらい前、 小学校に行くかいかないかの頃。 父の実家が鹿児島最南端の某島で、 爺さんが死んだというので葬式に。 飛行機で沖縄経由で島に行き、 父と激似の島民というか葬儀屋に案内され、 はじめてその実家へ。 確か2月で、寒くは無いが、 イメージしていた南国には遠く、 曇りでどんよりしていた。 当時福岡に住んでいたので、 親戚は会う人みな初対面で、 ちょっと居場所が無かったのを覚えている。 そこの風習は土葬で、 甕に入れるために爺さんが仰向けだが 足をちょうど正座する状態でそのまま寝かされていた。 弔問客は皆、爺さんのひざに触る。 婆さんは、 方言というか外国語というか、 何を言っているか分からないが、 どうやら 「ひざに触ると爺さんが喜ぶ」 とのこと。 死体に直に触るのをはばかれてか、 タオルがかけられている。 まあ、そんなこんなで酒盛りなども経て、 こちらでいう通夜はお開きになった。 南方の島の家というと、 風通しの問題なのか、 ほぼ畳敷きの広場といった風情。 よく見るとふすまの敷居もあり、 普段は部屋が区切られるようだが、 人が集まるということもあり、ふすまは全部取り払われ、 長い縁側から大きな部屋に仕立てられていた。 そんな広間で、 爺さん共々みんなで雑魚寝していた。 縁側のほうは雨戸が閉められ、 うっすらとした常夜灯だけの夜。 遠くから海の音が聞こえる。 20人ほどの親戚一同との雑魚寝で、 なんとなく寝付けず、悶々としていた。 何時だったか分からないが、 多くの人が寝静まったと思われる頃、 急に、雨戸、窓、玄関その他を誰かが、 いや、大勢の人が叩き出したのだ。 ドンドンドンドン、ガシャガシャガシャガシャ 外から声は一切せず、 ひたすら大勢の人が叩いている。 当然周りは何事かと起きだすのだが、 ザワザワするだけで、騒ぐものもおらず、 みな妙に冷静だった。 すると婆さんが一人でずかずかと雨戸に寄り、 ガラリと開け放ち、 「hふrひえjsdんしうgf」 と方言でわめき散らした。 何やら怒っているようだった。 すると音はピタリと止み、 みな安心したようにすぐに寝入ってしまったのだ。 なんだか夢の続きのようで、 思わず婆さんに何?と聞いてみた。 婆さんは方言で優しげに頭を撫でながら 何か言ってたが、分からない。 そばにいた親戚の女の人が通訳してくれたのは、 次のような内容だった。 「あれはキジムナーだ。 爺さんに会いに来たけど、 もう夜遅いから明日にしてくれ、 と婆さんが追い払った」 「キジムナーは特に何もしないから寝ていいよ」 水木の妖怪辞典で見知っていたキジムナーだ、 とすぐに思い当たった。 それで安心して、 そこからすぐに寝入ってしまった。 翌朝は葬式で、 おそらく島中の人が来たと思われる人出。 神主が来て葬式が執り行われ、 長い行列の中腹に甕が担がれ、 出て行ったのを見送った。 子供がそれについていけなかったのは、 それも何かの風習だろう。 後で島を散歩すると、 砂浜の脇の小高い丘に小さな神棚が転々と置いてある。 海からの風を避けるように、 草むらの脇に無秩序に並んでいる。 どうやらその下に甕が埋まっているようだ。 数年後に掘り出して、 のど仏だけを墓に納めるらしい。 それには父だけが参加した。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
1人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった41
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
美味しいご飯が食べたくなる漫画⑦: おばあちゃん編 美味しいご飯が食べたくなる漫画【にしみつ】
追放された元雑用係、規格外の技術で「最高の修繕師」と呼ばれるようになりました~SSSランクパーティーや王族からの依頼が止まりません~2巻 (グラストCOMICS)
勇者パーティから追い出された不遇職【罠士】、ユニークスキル【矢印】で最強になる【電子単行本版】1 (comic スピラ)
スキル【再生】と【破壊】から始まる最強冒険者ライフ~ごみ拾いと追放されたけど規格外の力で成り上がる! ~2巻 (グラストCOMICS)
解雇された宮廷錬金術師は辺境で大農園を作り上げる~祖国を追い出されたけど、最強領地でスローライフを謳歌する~2巻 (グラストCOMICS)
解雇された宮廷錬金術師は辺境で大農園を作り上げる~祖国を追い出されたけど、最強領地でスローライフを謳歌する~1巻 (グラストCOMICS)
瀬倉
瀬倉の妖怪辞典「hふrひえjsdんしうgf」
前の話:【洒落怖】神職の一家
次の話:【洒落怖】ダストシュートの中から
怖い話 No.1260
【洒落怖】見るな
827
44
0
短編1分
怖い話 No.20977
【洒落怖】病院内の公衆電話
1331
15
短編2分
怖い話 No.2426
【洒落怖】掴む人、再び
1661
33
中編4分
怖い話 No.596
【洒落怖】川の上流
1358
39
怖い話 No.254
【洒落怖】愛想笑いをする女
2424
34
怖い話 No.8854
【洒落怖】レモンキャンディー
1700
36
怖い話 No.9977
【洒落怖】今何時かな?
1457
35
怖い話 No.9436
【洒落怖】導いてた人
2001
怖い話 No.1072
【洒落怖】こんなに呼んでるのに
1270
18
怖い話 No.7765
【洒落怖】二人暮らし
1867
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
消えた彼女
でんわ
でんでん
着信7百回の男
戦中の魔物
オヤジ殺し
笑う女の夢
はいじま駅
団地での新聞配達