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思い思いのお化け
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うちの父方の祖父母の家はかなり古い家で、 改築に増築を重ねて今は使われていない座敷や部屋がある。 古くなっていて危ないから近づいちゃいけないと 祖母によく言われていた。 小学校四年生のお盆の時の話。 うちが本家だという事で お盆や正月は親戚一同が祖父母の家に集まる。 私は親戚の子供達の中で一番年上だったし 私以外は妹も含めてまだ小学校低学年や幼稚園児だったから、 その時も私は集まった子供達の世話係みたいな事をしてた。 お坊さんが帰ると、 襖を取り払って広くした部屋で 大人も子供も一緒にご飯を食べる。 そのあと大人達は宴会を始め、 子供は別の部屋で遊ぶのが常だった。 夜八時を過ぎた頃、 従兄弟の男の子が懐中電灯を見つけてきた。 最初は部屋を暗くして 懐中電灯で周りを照らしたりして 何が楽しいのかよくわからないけど楽しんでいた。 その内探険に行こうって話になって、 なら離れに行こうとなった。 普段近づいちゃいけないと言われていたけど、 その時はちょっとハイテンションで 親戚の子供達にいいとこを見せ付けたいのもあって 行くことにした。 一応大人に言っておこうと思ったけど 流石に祖母には言えないので、 すっかり出来上がっている父親に 離れに探険しに行ってくる、と伝えると 気を付けろよ~みたいな感じであっさり了解を得た。 私が先頭に懐中電灯を持って、 その後から妹や従兄弟たちが固まって付いてくる。 洋間の脇の廊下を抜け仏間を通り過ぎて 途中途中の電灯を全部点けながら進むと 件の離れへのガラス戸が見えてくる。 向こう側は真っ暗で 懐中電灯の明かりがガラス戸に反射している。 ガラス戸を開けると 古い畳の匂いや湿った木の匂いだと思うけど、 なんだか純和風~という感じの匂いがする。 懐中電灯と廊下の光で板張りの廊下と座敷があり、 廊下の先に木戸があるのがわかった。 その木戸の先は何があるかはわからない。 行ってみようって言ったんだけど 親戚の子供達は恐がって行きたくないと言う。 私も恐かったんだけど年長者の見栄というか、 年上なんだしという気持ちがあって 「じゃ、開けてくるからそこで待ってて」 なんて言って 従兄弟に懐中電灯で進行方向を照らすように指示して 一人で木戸まで歩いていった。 板張りの廊下はあまり使われていないのか 埃っぽくミシミシと音を上げた。 壁に手を当て ゆっくりと木戸に向かって歩いていく。 恐いな~、イヤ恐くない!なんて念じながら 木戸の前に立って振り向くと 廊下の先で親戚の子達が固まってこっちを見ている。 「ほらぁ、平気だよ!」 と声を掛けながら木戸を引くが開かない。 「あれ?あ、これ押す方だった~」 とか陽気な声を出しながら木戸を押すと 予想以上に大きな音を立てて木戸が開き、 私は前につんのめって木戸を掴んだまま こけたような姿勢になった。 同時に猫の鳴き声がして、 私の恐怖がピークに達した。 声にならない悲鳴を上げながら 四つんばいで親戚の子達がいる場所まで逃げようとすると、 親戚の子達は無情にも逃げ出した。 廊下の先に見える光を目指して 四つんばいから立ち上がりつつ駆け出す私の後ろで、 木戸がまた大きな音を立てて閉まった。 必死の思いで大人達のいる部屋まで逃げ帰ると、 先に逃げ出した親戚の子達がワンワン泣いていた。 私がホッとしたのも束の間、 許しをくれたはずの父親にガンガン怒られて それで泣いた。 親戚の子達が 「お化けがいた!」 と泣き叫び、 時間も遅いからと その日はもうお開きということになった。 親戚が帰ってから妹に話を聞くと、 私が木戸を開いて大きな音を立てたから 皆驚いていたと言う。 その時には一番年下の子は逃げ出していて、 それにつられるように皆逃げ出したとか。 猫の声は聞いていないらしい。 「でもね」 と妹に泣きそうな顔で 「扉が開いた先の廊下に人がおった」 と言われて改めて恐怖を感じた。 「けどそれよりも 四つんばいで向かってくるあんたの方が恐かった」 と言われて悲しくなった。 後日親戚の子達にも聞いたが 「大きな赤い目をした犬が走ってきた」 や 「ろくろ首が首を伸ばしていた」 など、皆思い思いのお化けがいた話を作り上げていて 正確な話は分からなかった。 ただ男の子一人と妹を含めた女の子二人は 人がいたという話をしていたので 何かいたんだろうとは思う。 祖父は 「お盆だからご先祖様が帰ってきたんだよ」 と慰めてくれたが、 私が聞いた猫の声に関しては首を捻っていた。 猫の鳴き声に関しては 後で祖母がこっそり教えてくれた。 まだ私の父親が高校生くらいだった頃、 年末の掃除の時に離れの掃除をしようとガラス戸を開けると、 どこからかニャーニャーと聞こえたらしい。 縁の下に猫が住み着いたのかと思っていたが、 あまりに鳴き続けているので縁の下を覗いてみた。 猫が二匹いる、と思ったが 一匹は動かない。 死んでいる。 気味が悪いと思った祖母は 鳴き続ける猫を追い払い、 猫の死体を捨てたらしい。 ところが、 それから離れの縁の下に猫が住み着いてしまった。 何度追っ払っても いつのまにか縁の下に戻って ニャーニャー鳴いている。 いい加減頭に来た祖母は、 業者に頼んで縁の下をブロックで塞いで貰ったという。 そこまでする必要あるの?と聞いたが 「最初に追い払う時に散々腕を引っ掛かれてね、 それからお婆ちゃん猫が大っ嫌いになっちゃったから」らしい。 もしかしたら、 私が離れで聞いた猫の声は その数十年前の猫の声なのかもしれない。 でも猫がそんなに長生きするわけないし、 第一縁の下には入れない。 つまりあの夜私は ご先祖様らしき霊(目にはしていないが)と猫の霊、 二体の霊に遭遇したのだろうか。 あれ以来離れには近づいていませんが、 今度行くことがあったら写メでも撮ってきます。
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