怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
河童
お気に入り
1588
26
0
中編4分
コピー
「河童」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
幼稚園の頃、祖父母の住む田舎に行った時に、不思議な生物に会いました。 のんびりとした田舎町で、周りに住んでいる人全員が、 家族のように仲がよい場所なので、 両親も心配せずに、私を一人で遊びに行かせていました。 ザリガニしか釣れないくらいの浅い川辺に、白詰草が咲いていたので、 私は一人で、母に教えてもらったばかりの花輪をつくっていました。 子供だったので、周囲も見ずに夢中で手元の花輪に集中していました。 すると突然、横から半透明の腕が伸びて、 私の作っていた花輪をむしり取りました。 その人間(?)は薄い緑色の身体で透けていて、 身体の向こう側の景色がぼやけて見えていました。 背丈は当時の私よりも少し大きいくらいだったので、 幼稚園の年長か、小学1年生ほどの体格だったと思います。 目も鼻も口も無くて、ただ、ゆらゆらと揺れる輪郭だけが 人間の形をしていました。 今から考えると、どう見ても人間ではなく、 子供の無知の恐ろしさを痛感しますが、 当時の私は恐がりもせずに、その緑色の人間に話しかけました。 何を言っても返事はないけれど、私は気にせずに一方的に話しかけ、 たくさん花輪を作っては、その人に渡していきました。 花輪作りに飽きた私が、川に手を浸したり、 川底にある綺麗な石を探したりして遊び始めると、 その人は川の中に足を入れて、 両足をバタバタと動かして水しぶきを作りました。 半透明の足の動きと水しぶきがとても綺麗で、 私は何度もねだり、その行為を繰り返してもらいました。 その人間に触れた感触は、水風船を触る感触に似ていると思います。 ブニブニと柔らかくて、 触れた手は水を触っているようなのに、濡れない感覚です。 その後お腹が空いたので、私は祖父母の家に帰り、 友達ができたことを伝えましたが、 両親も兄も信じてはくれませんでした。 「子供の空想話」 「この辺りには子供はいない、ましてや緑色の人間なんて」 と笑われ、信じてもらえないことにショックを受けたのを覚えています。 それから5日間くらい祖父母の家に滞在しましたが、 その間は毎日、その緑色の人間と遊んでいました。 次の日に帰る、ということを緑色の人間に伝えた時、 私は寂しくて大泣きしました。 「帰りたくない」 と何度も私が言うと、その人は私の腕を掴み、 川の向こう側にある林に引っ張っていきました。 父と虫取りに来たことがある林で、 それほど大きな面積ではなかったはずなのに、 その時は歩いても歩いても、林を抜ける気配はありませんでした。 疲れてしまったし、段々と引っ張る腕が恐くなってきて私が泣くと、 その人は手を離してくれました。 声を聞いた覚えは無いのですが、 当時はその人が「ごめんね」と謝ったような気がしました。 一番不思議なのは、 その時に彼(なんとなく男の人だと思っていました)と 一緒に遠くへ行こうかな、と自分が思ったことです。 もう二度と父や母や兄に会えなくなるけど、いいや、と一瞬思いました。 なぜ遠くに行くのだとわかったのか、 もう二度と家族に会えなくなるということがわかったのか、 不思議ですが、確かにその時私はそう思いました。 その場所で座って少し休憩した後、今度は手を繋いで林を歩き始めました。 てっきり彼の住む「遠く」へ行くのだと思っていたのですが、 林を抜けたらすぐ目の前に祖父母の家がありました。 家は林や川に近い場所にあるわけではなく、 林を抜けてすぐに家があるなんてことはありえませんでした。 庭で祖母と母が洗濯物を干していて、 すぐに私に気がつき、近寄ってきました。 手を繋いでいたのに、いつのまにか彼はいなくなっていました。 次の日に家族で車に乗り、家へ帰る途中に少し遠回りをしてもらって、 川辺の傍を走ってもらいました。 しかし、彼はいませんでした。 後から聞くと、私は一人で川辺で遊んでいて、 近所の畑にいる農家の人が川辺を通る度に見ていたので、 両親は心配していなかったそうです。 家に帰ってすぐに、お絵かき帳にその時の絵を描き、 両親も覚えているので夢ではなかったと思います。 祖父は数年前に亡くなり、祖母も先日他界しました。 家は売ってしまうそうです。 祖父母の荷物の整理のために、その家にしばらく泊まり、 何度も川辺に行きましたが、もう彼には会えませんでした。 幼稚園の時以来、何度も何度も祖父母の家に帰省する度に 川辺に行くのですが、彼はいませんでした。 ただ、荷物を整理している時に父が教えてくれたのですが、 祖父母は私の話を信じていてくれたそうです。 「●ちゃんは河童に会ったんだよ」 と言っていたそうです。 良く絵で見る、頭にお皿を乗せた河童ではなかったし、 水かきも甲羅もなかったけれど、なんとなく今は、 「ああ、私河童に会ったのかなぁ」 と思っています。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった26
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
お隣さんの騒音がすごい どこかの誰かの体験談マンガ
日本生まれのインド人、メタ・バラッツのスパイスカレーユニバース (インターネットオブスパイス)
転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。 二度目の人生はハーレムルート!? 1 (アース・スターコミックス)
パラドックスループ-うまくいかない私たち-
まいみ!
嘘つきな彼氏(推し)を懲らしめた話 1 ますまゆまんが!集
前の話:【じわ怖】友達の家に隠し部屋があった
次の話:【じわ怖】僕のお母さんですか?
怖い話 No.13405
【じわ怖】天井さん
835
28
2
短編2分
怖い話 No.4765
【じわ怖】社内に幽霊が出るという噂
1386
41
怖い話 No.21821
【じわ怖】B子とC子と893
1230
31
長編8分
怖い話 No.5699
【じわ怖】夜遅くまで自室で勉強してた
1454
怖い話 No.12731
【じわ怖】登山シーズンに起きる墜落事故
1143
49
1
怖い話 No.5031
【じわ怖】天使に会ったことがある
1262
29
短編1分
怖い話 No.13430
【じわ怖】第一便
2098
24
中編3分
怖い話 No.21847
【じわ怖】都市伝説
881
16
怖い話 No.4676
【じわ怖】家族で祖母の墓参りに行く予定だった
1585
36
怖い話 No.12002
【じわ怖】見知らぬケータイを拾った
1179
45
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
友達の様子がおかしくなってきた
3人で横一列に並んで歩いていた
元恩師にストーカーされていた
家鳴り?
幽霊のいた家
公衆電話ボックス
子供がうるさい