怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
実家付近の川原
お気に入り
856
10
0
中編3分
コピー
「実家付近の川原」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
2008年の8月の終わり頃、 一週間ほど夏休みが取れたので 兵庫県の実家に帰省しました。 ある日、 叔父(父の弟)に頼まれた簡単な仕事の手伝いを終え、 二人車で帰路につきました。 時刻は夕方で、 全開にした窓からの風はまだまだ熱気を孕んだものでしたが、 しかしそれは夏の終わりを感じさせるもので、 なんだか切ない気持ちになったのを覚えています。 実家付近の川原にさしかかると、 ふと叔父が 「寄ってみるか?」 と言いました。 実家から車で10分くらいの川原でしたが、 最後に来たのは小学生の頃です。 汗と埃を洗い落としたかったのと、 懐かしさとで二つ返事で賛成しました。 その川は水量も少なく、 またかつて名水百選にも選ばれた川の傍流にあたるため その透明度は言うに及ばず、 つかの間休憩するにはうってつけの川原でした。 小学生の頃、 自由研究で川の水位を測るための目印とした岩も残っていて、 ずいぶんと感慨深いものを覚えました。 さて、水で顔を洗い、 “石切り”などしていると、 叔父が言いました。 「誰か来るぞ」 と。 叔父の言う方を見やると、 確かに対面の岸に手を振る人影が見えます。 人影までそう遠くはないのですが、 靄(もや)のような霧がかかり、 影のようにしか見えません。 しかし手を振る人影は、 どうやら小舟に乗ってこちらへやって来ているのが分かりました。 人影は二人連れらしく、 その内のひとりがこちらに手を振っています。 叔父がその人たちに気付いたときからこちらに手を振っているため、 知り合いか、もしくは何か用があるのかな、と思いました。 誰だろう?と叔父と僕は顔を見合わせました。 叔父も見当がついていないようでしたが、 怪訝な顔つきのまま手を振って応えていました。 そろそろ靄を抜けるか、という境まで来て、 まだ手を振っているのを見て改めて誰なのか考えつつ、 僕はしゃがみ込んで待っていました。 そしていよいよ完全にその姿を目視出来る距離まで来て、 その二人の、あまりにあまりな正体に、 僕と叔父は戦慄しました。 さっきまで手を振って、 小舟に乗ってこちらへやって来ていた人影は、 二体の人形だったのです。 叔父と二人、 女の子みたいに悲鳴をあげながらも、 それから目を離さずにはいられませんでした。 まず手を振っていた方は水色の和装で、 少年の人形 (一般的な雛人形を一回り大きくして立たせたような感じ) のようです。 顔は元は真っ白だったのでしょうが、 雨風に長い年月さらされたような汚れがあり、 唇に剥がれかけた朱色の紅がひいてありました。 あと腰に白い刀を下げていました。 もう一体の方は少女の人形で、 髪が長いのと着物が薄い赤色というの以外は少年の人形と同じで、 一見で対になっているのが分かりました。 毬か道具箱か、 何かを抱えていたような気がしますが定かではありません。 あと小舟と思っていたのは、 長方形の平べったいお盆のようなものでした。 僕が震えながらもその姿から目を離せないでいると、 叔父がこの不気味な人形たちの、 更なる異常さに気付いて言いました。 「流れ逆やぞ、これ!」 川は僕たちから見て右上に流れています。 つまり人形たちは、 川の流れに逆らって こちらへやって来たのです! それに気付いた僕たちはたまらず 一目散に車に飛び乗り、川原を後にしました。 僕が恐る恐るサイドミラーで確認すると、 二体の人形は本来流されるべき方向へ、 流れに乗ってゆっくりと遠ざかっていきました。 車中、叔父とあの人形が手を振っていたのは 思い違いではないという事を確認しあい、 急いで家へと戻りました。 あれから不思議とあの人形たちは夢にも出てきませんが、 あの一件以後、川には近づけなくなりました。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった10
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている (角川文庫)
となりの怪異談 (3) ~日常に潜む心霊ばなし~ (本当にあった笑える話)
不動清の心霊物件ファイル 合冊版 (素敵なロマンス)
絶対に行ってはいけない!最恐 心霊スポット大全
心霊探偵八雲1 完全版 赤い瞳は知っている 心霊探偵八雲 完全版 (講談社文庫)
心霊浄化師 神楽京 恐怖の地下屋敷
前の話:【洒落怖】イタコの言葉
次の話:【洒落怖】憑かれたのは誰か
怖い話 No.421
【洒落怖】毟られる髪
1451
54
1
中編4分
怖い話 No.21556
【洒落怖】心中した叔父さん
1121
33
怖い話 No.22810
【洒落怖】霧の出ている夜
672
15
短編2分
怖い話 No.1359
【洒落怖】交差点の手前にある鳥居
1814
37
怖い話 No.9650
【洒落怖】追体験
1471
短編1分
怖い話 No.2167
【洒落怖】事故現場の女
1619
30
怖い話 No.22292
【洒落怖】お受験
512
11
長編9分
怖い話 No.9603
【洒落怖】真っ黒い人影
1385
怖い話 No.22991
【洒落怖】神隠し事件
朗読 OCCULT HITORI 怪談朗読ラジオ オカルトヒトリ
1310
7
怖い話 No.8495
【洒落怖】離席
996
36
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
剣鉈
これまで3回ほど異世界に行ったことがある
エレベーターの女
井戸の中
犬と外国人の幽霊
一番奥の個室
セールス先
消えた彼女