怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
Aが見たもの
お気に入り
1540
31
0
中編4分
コピー
「Aが見たもの」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
中学の頃、 ヤラセの心霊写真で小遣い稼いでる奴がいた。 まあ俺も片棒かついでたんだけど。 『ヤラセ』と言ったところで、 合成なんかのトリックでは一切無い。 要するに、仕掛け人Aが 「ここだ!」と言ったところで写真を撮ると、 必ず何か写っているのだ。 客が持ってきたカメラで、 客に撮らせるというのがポイント。 当時の中学生の小遣い基準を考えると、 相当にいい稼ぎになった。 そいつとは幼なじみ (と言ってもそんなに親しくなかった) だったんだけど、 小さい頃は、高架下や裏路地など妙なところに座り込んで、 ボンヤリ遠い目をしてるおかしい奴、という印象しか無かった。 要するに、 その頃からずっと『見て』いたんだろう。 成績も壊滅的に悪かった。 掛け算出来ないんだから相当なもんだよ。 Aが言うには、 出てくるそれは殆どの場合霊じゃないそうで、 「じゃあ何なのか」 と聞いても答えてくれない。 ただ、それは割とAの自由になると言っていた。 霊は自由にならないらしい。 客と撮影に出ても、 『ここ』というポイントが見つからないこともある。 そんなときに行うのが『ヤラセ』だ。 Aがそれをどこからかその場に呼ぶのだ。 これはAが疲弊するのと、 また「あまり良くない」らしかったが、 信用には変えられない。 客層も幅広がってたし、 仕事にかけるプライドみたいなものがあったんだよな。 で、中3成りたてのゴールデンウィーク、夕方。 俺達二人は、 客といつものように撮影に繰り出していた。 場所は廃工場で、接客担当の俺は 「死んだ工員の霊が…」 とかなんとかテキトーに語っていたんだけど、 Aがヤラセの符丁を送ってきた。 Aは知らない奴と一緒では集中出来ないのと、 集中する姿が何と言うかヤバいので。 符丁を送ってきた時点で、 俺は客と共に少しの間場所を変える決まりになっていた。 作業場から廃工の入口、 受け付けみたいなところへ移り、五分ほど… 中から絶叫が響いた。 Aのものだ。 客をそこで待たせ駆けつけると、 へたりこんで叫び続けるAの眼前に。 なんだろう? 真っ黒い、巨大なキノコ雲のようなものが もうもうと立ち上り、 広い作業場を埋め尽くしていた。 スゴすぎるそれに俺もドン引きで、 呆然としていたが、 まさか火事かと思った途端、 ほぼ無意識に体が動いて、 俺はAと客を連れ慌てて逃げ出した。 客が俺を追い越して何処かへ走り去る。 それはいいとしても、 Aまで途中から俺を抜いていこうとしたため、 腕を掴んで一旦止まらせた。 止まらせても走ろうとする。 俺も興奮していたから、 「あれは何か、どうしたのか」 と聞くと、 「父さんが死んだ」 と泣く。 確かにその日の夕方、撮影の前、 Aの父は交通事故で亡くなっていた。 携帯があれば話は早かったろう。 Aは一週間ばかり学校に来なかったが、 登校してきて開口一番俺に言ったことには、 「もうああいう事はやめる。 ああいう物を見るのもやめる。 現実を見る」 元々仲が良かったわけでもない。 それに、親父が死んだとき、 Aは俺みたいな馬鹿と、 馬鹿みたいな小遣い稼ぎに興じていたのだ。 仕方ない事とはいえ、 罪悪感は拭いきれないだろう。 俺の方も罪悪感と気まずさがあって、 つるむこともなくなった。 また、Aは 「現実を見る」 と言ったが、 掛け算も出来なかったボンクラが、 それからいきなり成績を上げ、 一年足らずで県下一の進学校に進学するまでになった。 今まで現実見てなかったせいで、 ボンクラだったとでも言うのだろうか? それまでAが見続けていた霊ではないそれの正体が、 結局のところよくわからないんだけど、 あのキノコ雲は参った。 今でも夢に出る。 今思い返してもよくわからない話でスマン。 漠然とした後悔があるんだよな。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった31
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
僕が死ぬだけの百物語(1) (サンデーうぇぶりコミックス)
N 1 (電撃コミックスNEXT)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
前の話:【洒落怖】霊感持ちの1番怖かった話
次の話:【洒落怖】ペンキ塗り
怖い話 No.2484
【洒落怖】普通の犬じゃない
1362
43
1
長編5分
怖い話 No.22966
【洒落怖】髪の毛の長い女
1305
6
中編3分
怖い話 No.21050
【洒落怖】施術中
1209
15
短編1分
怖い話 No.22881
【洒落怖】ふすまの部屋
朗読 りょりょの怪談チャンネル【作業用かいだん朗読】
785
7
長編10分
怖い話 No.10515
【洒落怖】やまけらし様
3259
25
怖い話 No.2682
【洒落怖】目印
1321
45
怖い話 No.1342
【洒落怖】壊れたブレスレット
1918
20
怖い話 No.127
【洒落怖】祟られた一族
2349
49
長編7分
怖い話 No.8274
【洒落怖】コンビニの客
3419
36
2
怖い話 No.8063
【洒落怖】なぶり殺し
1927
24
短編2分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫