怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
可愛い家とアフロ
お気に入り
1121
34
0
長編5分
コピー
「可愛い家とアフロ」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
今から十年以上前の話。小学校からの帰り道の途中で友達の家に寄ったからだと思うのだけれど、何故かその日はいつも通る側の歩道ではなく、反対車線側の歩道を歩いていた。反対側の家をまじまじ見るなんてそれまでなかったものだから、家々を見ながら帰っていたのだと思う。一軒、目をひく家があった。今でも外観を覚えているのだけれど、何というか、もの凄く可愛い家だった。 小さな女の子が一度は憧れるような家。しみひとつない真っ白い壁に赤い屋根、アーチ状の柱を持つ玄関のひさし、その真横に大きな窓があって、まるでシルバニアファミリーの家みたいな外観だった。「凄く可愛いお家だなあ。こんな家あったんだ…最近建ったのかなあ」と感動しながらその日はそのまま通り過ぎた。次の日、またあの可愛い家の前を通ろうと思って、昨日通った側の道で下校していた。果たしてその家はあった。でも昨日と違うのは、玄関の真横にある大きな窓が開いていて、そこから人が上半身をのぞかせていた事だった。その人は20代前半位の男性で、綺麗な家には不釣り合いなほど薄汚いティーシャツを着ていたのだけれど、特筆すべきなのはその見事なアフロ・ヘアー。『アフロ田中』っていう漫画があるけど、まさにあの漫画の主人公みたいなアフロ・ヘア―。今思い出しても、まさにあれこそアフロ・ヘア―っていう感じのアフロ・ヘア―だった。12年間生きてきて初めてアフロを見た私は度肝を抜かれ、「アフロの人って本当にいるのか…!」と(失礼な話だけれど)その男性をガン見しながらその家の前を通り過ぎた。でもその男性は私の存在に気が付いていないようで、斜め上辺りの虚空を身動きもせずじっと見つめていた。その何の感情も持っていないような男性の目が、少し怖かった。その次の日、またその家の前を通ることのできる道で下校した。アフロの男性は少し怖かったけれど、あの可愛らしい家がどうしても見たかった。さすがに二日続けてアフロさんはいないだろうと楽観的に考えていたのだけれど、その綺麗な家の一歩手前で気付いた。窓から飛び出したアフロが見える事に。アフロの男性は前の日と全く変わらない体勢で虚空を見つめていた。怖くなって私は一旦立ち止まった。だが、しばらく見ていても男性は動く事もなく、私を無視して虚空を見つめているだけだ。何だかその男性を怖く思ってしまった事を申し訳なく思い、私は再び歩き始めた。その家の外観と男性のアフロを交互に見ながらその家の前を歩く。相変わらず家は本当に可愛らしく、男性は身動きもせず虚空をじっと見つめている。その様子に、「やっぱりこのアフロの人は危ない人じゃない」と安心した。そしてその男性の前を通り過ぎようとした瞬間、それまで虚空を見つめていた男性が突然私の方を見た。男性の虚ろな目と私の目が合う。凄く怖かった。でも何故か目をそらす事が出来なかった。男性は私の目を暫くじっと見つめ、突然「おかあさあああああん…おかあさああああああああああああああああん…」と私に向かって大声で繰り返し言い始めた。私は本当に怖くて怖くて堪らなくなって走って逃げた。男性の声がどんどん小さくなって、聞こえなくなっても走り続けた。それから一か月ほど、違う道を通って下校した。前に使っていた道と比べるとかなりの遠回りになってしまうけれど、またあの人がいたらと思うと怖くて通れるものじゃなかった。しかし、その道を通らねばならない時は意外と早く来るもので、何か用事があるので早く帰ってこいと親に言われてしまった。あの道を通るのは本当に嫌だったけれど、違う道を通るとおそらく間に合わない。反対側の車線を通れば大丈夫だと自分に言い聞かせながら下校する。でもあの可愛らしい家ある場所に近付くほど憂鬱な気持ちになって、またアフロの人がいたらどうしようと心配した。だがそれは杞憂に終わった。アフロの男性はいなかった。というか、そもそもあの可愛らしい家自体がなくなっていた。あの家があった場所は月極駐車場になっていた。因みに十年以上たった今もその場所は月極駐車場だ。あのアフロの男性と可愛らしい家は何だったのか、未だに分からない。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった34
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
心霊探偵八雲(12) (あすかコミックスDX)
訳アリ心霊マンション 4巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
訳アリ心霊マンション 3巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
会社を辞めてバイクにまたがり今日も会いにいく 日本一周心霊ノ旅
訳アリ心霊マンション 1巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
心霊スポットの漫喫でバイトしてた話 パチ美のWeb漫画まとめ
前の話:【じわ怖】古い一軒家を借りて住んでいた
次の話:【じわ怖】実家が田舎で鍵をかける習慣がない
怖い話 No.20725
【じわ怖】改築中の音楽室
1519
56
短編2分
怖い話 No.5276
【じわ怖】奇人変人としての評価が高い彼
1458
43
中編3分
怖い話 No.5442
【じわ怖】自称人造人間
985
38
1
怖い話 No.4753
【じわ怖】霊を拾って来る
1494
40
怖い話 No.12866
【じわ怖】ねずみの揚げ物
745
13
怖い話 No.11896
【じわ怖】祖父の私有地に古井戸がある
1170
37
怖い話 No.13048
【じわ怖】彼と俺
1336
怖い話 No.13745
【じわ怖】第3作業場
1823
47
怖い話 No.12972
【じわ怖】足元に見慣れない影がある
1053
23
中編4分
怖い話 No.11909
【じわ怖】憧れの1人暮らし
1282
46
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
友達の様子がおかしくなってきた
3人で横一列に並んで歩いていた
元恩師にストーカーされていた
家鳴り?
幽霊のいた家
公衆電話ボックス
子供がうるさい